蘇武橋のエノキ   巨木のある町  (奈良県橿原市今井町) 地図案内
 
 蘇武橋(そぶばし)のエノキは樹齢420年、幹周5mという。民家が広がる 町中に巨木がそびえる風景は珍しく1200年の都だった京都市でも幾度か大火や戦乱が繰り返されたせいで巨木は僅かである。根元ぎりぎりまでのコンクリ−ト建造物は極力除かなければ長寿はおぼつかなくなりやがて樹勢が衰え始める。
 
 
 東西600m、南北300mの約17haに建つ約760戸のうち約500戸が伝統的建造物で、国の重要伝統的建造物群保存地区として2017年に日本遺産に認定された。豪華に飾った参勤交代の行列が往き来しそうな江戸時代の風景
 
 1575年今井郷は織田信長からの降伏勧告に対して在地の武士団や一向一揆衆が団結して半年近く戦ったが、堺の津田宗及が明智光秀や筒井順慶を介し信長と和睦して同年11月に赦免され今井郷に自治が許された。当時の信長は1575年5月長篠の戦いで武田軍に壊滅的打撃を与え、越前一向一揆や石山本願寺など各地で信長包囲網を破壊していた。信長は反抗する宗教勢力は徹底的に殲滅する方針を持っていて信長に対峙しながらも生き残った例は極めて珍しく当時の今井町の財力や交渉力が優れていたことを伺わせる。
 
 
  今井郷は幅3間(1間は1.8m)の濠と土塁を巡らした3重の環濠を持つ環濠集落で雑木藪を備え外部から見えにくくしていた。当時の濠幅は場所によって7m、深さは2mあったという。