壇上伽藍にひときわ大きくそびえる根本大塔(こんぽんだいとう)は真言密教を象徴する建造物で日本で最初の多宝塔。弘法大師と弟子の真然大徳(しんぜんだいとく)の二代が尽力して816年から887年頃に完成したとされる。
胎蔵界の大日如来像と金剛界の四仏である阿閦像(あしゅく)、宝生像(ほうしょう)、無量寿像(むりょうじゅ)、不空成就像(ふくうじょうじゅ)が安置され、16本の柱には堂本印象が十六大菩薩を揮毫し、四隅の壁に密教を深めた八祖が描かれている。幾度も火災に遭ったので1937年(昭和52年)に再建された。
壇上伽藍は弘法大師が高野山の中心地として最初に整備した場所で幾つもの伽藍が建立された。中門をくぐり抜けると根本大塔を中心にして左右に西塔、東塔、更に金堂、大塔の鐘、六角経蔵、御社(みやしろ)、不動堂などの伽藍が配置された。唐から密教の聖地を占うために投げた三鈷杵(さんこしょ)が架かっていたという三鈷の松(さんこのまつ)もある。 |